気がつくと、見知らぬ部屋に突っ立っていた。
実家じゃない。それどころか日本じゃない……と思う。外は異世界みたいに真っ白、洋風の家並みが闇夜に浮かんでいる。
デトロイドでもない。もっとノスタルジックな印象を受ける。
こじゃれたインテリアが並ぶ、さっぱりした寝室。足元にはふかふかの大きな犬が丸くなっていた。
「起きたの、ゆうり」
呼ばれて振り返る。銀髪に青い瞳の、寒色に包まれた男。だが、その目は優しく、表情は柔らかく、声には愛しさが滲み出ていた。
この男のことを知っている。
「ヴぃく……とる?」
たどたどしく名を呼ぶと、男は悪戯っぽく目を細めて「オフコース」と囁いた。
「座って。ココアを入れるよ。バレーニエはいる?」
反射的に首を振った。すこし、気分が悪い。
ソファに腰をおろし、顔を両手で覆う。
(――――何も思い出せない)
起きたときに夢の内容を思い出せそうで思い出せないような、ふわふわした不思議な感覚。
自分が日本人だ、という認識はあった。自分がどんな顔をしているかも。スケートのことも。家族の顔は思い出せないが、みんな息災で、あたたかくて優しく、母と、父と、姉がいて、そして親戚の子のように一家ぐるみで親切にしてくれる人々や、女性の先生がいることも。
そして、キッチンで鼻歌を歌いながら湯を沸かしている男。ヴィクトル・ニキフォロフ。ヴィーチャ。ヴィーチェニカ。
少し移動しても、甘えるようにすりついてくる可愛い犬。マッカチン。
思い出せそうで何も思い出せない。どうして、自分はここにいて、さっきまで何をしていた?
「ゆうり、思いつめないで。大丈夫だから」
テーブルにグリーンティのカップを置き、ヴィクトルが隣に腰掛けて肩を抱き寄せてくれた。
その体温にほっとして、彼のセーターに凭れ掛かる。ここは安全だ。この世の何処よりも。
「ゆうり、どこまで思い出せる? ひとつひとつでいいから、ゆっくり話してごらん」
「ゆうり……僕の名前?」
「おっと、そこからか。君の名前はカツキユウリ。漢字ではこう」
テーブルに載っていた雑誌―――きらびやかな衣装を纏ったヴィクトルと、金髪の美しい少年。そしてその真ん中ではにかむアジア系の青年が表紙の、ロシア語の雑誌。
その真中、アジア系の青年の胸元あたりに、ヴィクトルは「勝生勇利」と習字の先生みたいな綺麗な日本語で名を書いた。
「これ、真ん中の、僕?」
「そうだよ」
「鏡見せて」
ヴィクトルはパチンと手鏡を開いてユウリに渡した。そこに映っているのは、情けない表情にぼっさぼさの髪をした、平凡すぎる男―――しいて言うなら童顔すぎることが特徴の顔だった。
美形二人の間に挟まれて微笑んでいる男とは似ても似つかない。が、眉毛だけは、へろっとした太めの眉毛だけは似ているかもしれない。
「ヴィクトル」
ユウリは雑誌の左にいる男、そして今現在自分の左にいる男を指差した。
ヴィクトルは嬉しそうに頬を染めて微笑む。まるで花が咲いたようだ。綺麗なひと。なんで僕といるんだろう。
僕なんかと。
「このこ―――しってる。口が悪い子」
「うん」
「でも、誰よりやさしい子」
「うん」
カメラを睨みつけるように映る美しい少年。
「この子はユーリ・プリセツキー。君と同じ名前で、あだなはユリオだよ」
険悪な表情で今にも罵詈雑言を吐き出しそうだが、ユウリは目を細めてその子の部分を指で撫でた。
どうしてか、この態度の悪い少年がいとおしくて胸が締め付けられる。
「かわいい」
かわいい、という言葉に反応したのか、プードルが一声吠えて、ユウリの膝に前足を載せた。
「マッカチン」
へっ、へっと舌を出しながらじゃれついてくる毛玉のような犬を撫で、抱きしめる。
「わかるのは、俺の名前と、マッカチン。それから?」
「あとはわかんないや」
「――――そっか」
ヴィクトルはマッカチンごとユウリを抱きしめた。
その瞬間、脳裏にきらりと青い光が瞬いた。
「うみ」
「うん?」
「うみ、はまべ。あおいそら。ちいさくて茶色い友達。おんせん。満開のさくらに積もる雪。スケートリンク。黒い肌の男の子。笑顔。小さな三つ子。おまつり。それから、カツ丼」
「カツ丼」
「カツ丼」
オウム返しに応えてユウリはくすくす笑った。ヴィクトルも笑っている。
「ぼく、滑りたい」
「今日は無理だな。夜だし、外は吹雪だ」
「じゃあ、踊りたい」
「踊ろうか」
立ち上がったヴィクトルが手を差し伸べてくる。ユウリはその手を取った。
スタイルも様式も音楽もない。二人で気のむくままに踊った。マッカチンが尻尾を振っている。最高のステージだ。
笑いながらターンして、そこで―――ヴィクトルが僅かに眉をしかめた。
「どうしたの?」
「ああ、いや。実は少し、捻挫をしていたのを忘れてた」
「じゃあ暴れないで大人しくしてないと!」
「ごめんごめん。大したことないから自分でも忘れてたくらいなんだ」
どんなに軽症でもスケーターが捻挫を甘く見ていい理由にはならない。そんなこと、ヴィクトルならよく知っているだろうに。逆の立場なら、カンカンに怒ってユウリをベッドに押し込めただろう。
子供みたいに抱っこして。
「………――――」
当たり前のようにそんな風景を思い描いて、ユウリは頭を抱えた。
「大丈夫、ユウリ」
「ぼく、なんか………へん、みたい。事故にでも遭った? 思い出せそうで何も思い出せない」
「あせらないで」
ヴィクトルはもう一度ユウリをソファに座らせ、ハグをする。
「事故には遭ってない。でも、ちょっと病気にかかってる」
「どんな?」
「健忘症の一種。ちょっとずつ、ちょっとだけ忘れちゃう。でも、スケートのことや俺のことを忘れたことは一度もない」
「思い出せる?」
「それはすこし難しい。でも、みんなはゆうりのことを覚えてるし、新しく覚えていくことは出来る。それってきっと、悲しいことじゃないよ」
そうかもしれない。ユウリは笑った。ヴィクトルがいれば、きっと悲しいことなんて何もない。
それに、どうも体のほうは色々覚えているらしい。歯ブラシの場所。いつも使っているボディオイル。おいしいボルシチとポトフの作り方。
スマートフォンがピロリと鳴る。黒い肌の男の子。ピチットくん。
"ユウリ、またグランプリシリーズで会おう!"
そうだね、また会おうね、ピチットくん。今度は二人で観光しよう。
音楽を聞く。今年のプロ。振り付けは覚えている。体が勝手に動く。
(悲しい曲だ)
タイトルは思い出せない。悲しくて力強く、決意を感じさせる。この何を訴えるつもりで振り付けたのだろう? 思い出せもしないのに、体は勝手に表現を続ける。
休憩室に入ると、隣にどっかり腰を下ろす金髪の少年。ふてくされたような顔。
「ゆりお?」
だよね、と恐る恐る呼びかけると「ユリオじゃねー!」と噛みつかれた。やっぱりユリオじゃないか。思わず笑ってしまった。
「ユリオは、僕の病気のこと知ってる?」
「チムピオーンのヤツらも、お前の家族も、それどころか全世界が知ってる」
「そんな大事になってんの……」
「一時期大騒ぎだった。世界選手権一位、ヴィクトルニキフォロフの愛弟子カツキユウリが不治の病! ってな。悲劇に仕立て上げようとして、カスゴミが大勢押しかけてヤコフがブチギレてた」
「申し訳ないことしちゃったなあ」
自分のせいでただでさえ面積が広いフロンティアが、更に開拓されてしまったに違いない。
「悲劇なんかじゃないってのにな」
悪戯を企む子供みたいに笑うユリオに、ユウリも笑って返した。
そう、これは悲劇なんかじゃない。勝手に悲劇のヒーローにしないでほしい。こんなに幸せな悲劇の主人公がいたら、シェイクスピアの登場人物に申し訳ない。
「おい、ステップを教えろよ」
「基礎だよ基礎。何はともあれコンパルソリー。僕とユリオじゃ積み上げてきた時間が違う」
「あの地味な作業を朝から晩までやってられるテメーのメンタルのほうが病気より深刻なんじゃねーの?」
「だって楽しいだろ」
むしろ、ユリオがなぜそうまで面倒がるのか分からない。
「氷をするーって滑ってる時って、飛んでる感じしない?」
「ジャンプじゃなくてか?」
「ジャンプは跳ぶでしょ。そうじゃなくて、空飛んでる感じ」
「………」
なぜかユリオは不貞腐れた。なぜ不機嫌になったのか分からない。
そんな彼を、頬杖ついて見つめた。
「なんだよ。きもちわりーな」
「ユリオはこれから成長期がくるね」
「ああ……気の重い話だけど、くるもんはくるし仕方ねえ」
「痛いし思い通りに滑れないし、しんどいよ」
「余計気が重くなるよーなこと言うんじゃねえ!」
「でも、そこを抜けたらユリオは誰より高く飛べるようになるんだろうね」
ロシア人だから、ユウリの身長など簡単に超えてしまうだろう。力強く跳んで、誰よりも美しく。
「いいなあ」
「ざまーみろヤポンスキー。テメーのつむじを見下ろす日が楽しみだぜ」
「違うよ。ユリオの成長を見られる皆が羨ましい」
「…………」
「僕はまた忘れちゃうんだろ?」
そうしたら、ユウリの中のユリオは最初から大きなユリオになってしまう。
細い体でいろんなものを背負って跳び、成長し続ける小さなユリオのことを忘れてしまう。
ユリオは舌打ちして乱暴に椅子を蹴った。
「おい、そこの柱に立て」
「なんでマジックペン持ってんの?」
「セークラベだ、セークラベ。日本じゃこういうのやるんだろ。ユウコが三つ子にやってた」
「こんなとこに印つけたらヤコフコーチに怒られるよ!」
「いいからそこに立てってんだよ!!!」
押し切られて立つ。後で何を言われるやら。眉を八の字にするユウリの頭上に手を伸ばし、ユリオはきゅっと線を引いた。
「どけ」
乱暴にユウリを突き飛ばし、柱に背を当てて自分の頭上にマークを引くユリオ。年齢を書いた。17。
「来年も再来年もやってやる。そんで、いかにして自分が俺に抜かれたか噛み締めろ。バーカ」
得意げに笑う顔が子供っぽくて、ユウリは笑いを噛み殺しながら「そうだね」と返した。
「なになに、何してるのふたりとも」
「ヴィクトル」
「うっせー、くんなハゲ」
「二人ともいつまでも来ないからヤコフが怒ってたよ?」
もうそんな時間だったか。慌てて紙パックをゴミ箱に捨てる。
「そういえばヴィクトル、今年のプロは? 僕まだ見てないよ」
見せてよ、とせがむとヴィクトルは曖昧に微笑む。ユリオも苦い顔だ。何かそんなにヘンなことを言ったろうか? 捻挫はもう治ったはずなのに。
「オーケー、いいよ。ちょっとリンクを開けて貰おう」
世界中の誰より少し早く見られる、ヴィクトルのプロ。これだけでもロシアに来た甲斐はあった。
曲はいつもどおりオリジナル。うららかな春の陽を思わせる出だし。夏の木漏れ日。少し寒い秋。何かが終わって、そして始まりを告げる冬。
色鮮やかな風景をリンクの上に描くヴィクトルに見惚れながら、しかしユウリは違和感を覚えた。
(ヴィクトル、すこしぎこちない………?)
記憶にある滑らかなスケーティング、それこそ雲の上で空飛ぶようなヴィクトルの滑りではない。他は指先に至るまで美しいのに、スケーティングやステップはわずかながら至らぬ箇所がある。そんな馬鹿な、あのヴィクトルが?
「ヴィクトル、まだ捻挫治ってないんじゃないの?」
汗を流してリンクサイドへ戻ってきたヴィクトルに問い詰めると、ヴィクトルは困ったように笑っていた。
「治ったけど、捻挫ってクセになりやすいからね。微妙な感覚が残ってて」
「無理させちゃった?」
「だからっていつまでも滑らないと、カンが戻らない」
スケーターは少し滑らないだけで色んな感覚が鈍る。ヴィクトルの言っていることは理解できる。
(なんだろう、もやもやする……ヘンな感じ。なんだろう)
掻き毟りたくなるような、泣き叫びたくなるような、嫌な感情。
「さ、ユウリ。次は君の番。今日こそフリップをクリーンに決めて見せてよね」
ぱちんとウインクするヴィクトルに頷きながら、リンクへ降りる。
「ヴィクトル……僕、今年こそヴィクトルを超えて見せるから」
宣言すると、ヴィクトルは満面の笑顔を浮かべた。
「そういうの、大好きだよ!」
***
オフシーズンは長いようで短い。
アイスショーやスポンサー関連の諸用を片付けているうちに、あっという間に終わる。
「ユリオ、アサイン来たよ! カナダ大会で当たるね」
「またJJかよ……あいつどうせファイナルでも会うだろ。何度もあの濃い顔見るハメになるとかウンザリする」
「今回、ピチットくんと当たらないなあ。ファイナルで会えるかな? えっと、クリスとは中国で会えるね。ヴィクトル……は…………」
アサインのリストを何度も見る。何度も確認する。ユウリが記憶を取りこぼしているうちにデビューしたらしい選手の名前がいくつかある。顔は思い出せないが、名前を見ると記憶の琴線に触れる選手もいる。
だが、どこにもヴィクトルの名前がなかった。スケートの神様。リビングレジェンド。誰が除外されても彼だけはアサインされるであろうはずの名前がどこにもない。
「ゆうり!」
いつの間に側に来ていたのか、ヴィクトルがユウリを後ろから抱きしめた。
なんでふにゃふにゃした顔で笑ってるの。スケ連が大ミスしてるよ?
「カナダでオタベックもいるねえ。また皆でご飯食べにいこーか」
「はあ!? お前らもついてくんのかよ!」
「ユウリにオタベック会わせないつもり?」
「じゃあハゲだけ留守番してろ!」
「のけものは酷いよ。ねー、ユウリ」
ぐりぐりと頭に頬ずりされる。よかった。ヴィクトルは来るんだ。カナダ大会に出場するのかな。名前が載ってないのはやっぱりミスで――――
ユリオがちらちらとユウリとヴィクトルを見る。モノ言いたげに。
耳元でヴィクトルの、笑うような、悲しげな吐息が聞こえた。
「遅かれ早かれ、この時点でどうしても分かっちゃうことだから、言うよ。
ユウリ。俺はもう競技者じゃないんだ」
目の前が白く染まった。
***
当然と言えば当然の結果だった。
ヴィクトルは既に28歳、フィギュアスケーターとしては最高齢。
ユウリと共に練習を欠かしていなかったとはいえ、八ヶ月のブランク。コーチ業と選手の兼業。
死ぬつもりか、とヤコフに怒鳴られた。だから答えた。
「そうだよ」
日本ではアイラブユーを「死んでもいい」なんて訳すんだろう? そうさ、俺は死んだっていい。
ヴィクトルがユウリのコーチを始めた時、世界が「コーチごっこ」と揶揄した。コーチとして未熟で、何も知らなかったのは認める。
だが、ヴィクトルは本気だった。たとえ二度と選手に戻れずとも、それでいいと思った。ごっこ遊びで結果が出るなら世話がない。
ヴィクトル・ニキフォロフは死んだ。いつかユーリに言われた言葉だ。
ヴィクトルはカツキユウリのスケートに殉ずるつもりで挑んだ。はじめはコーチ業の練習として。だが、最後はカツキユウリという存在のためだけに。
ユウリが望むなら、それに応えよう。
ヴィクトルであるために。お前が望むヴィクトル・ニキフォロフであるために。
自分がワールドレコードを塗り替えたことよりも、ヴィクトルの復帰を目を輝かせて喜んだあの子。
あの子のためなら全てを捧げたって構わない。
ただ、問題は――――肝心のユウリが何も分かっていなかったことだ。
どれほどの覚悟をもってヴィクトルに愛されていたか、ユウリは自覚していなかった。スケートと弟子なら弟子を捨てるだろうとタカを括っていた。
自分にそれほどの価値があるはずもないと、この期に及んで思い込んでいた。
翌シーズン、全てを賭けてヴィクトル・ニキフォロフの最後の大舞台を披露した。あの子は泣いて、泣いて、表彰台の上でヴィクトルにしがみついて嗚咽を漏らしていた。嬉しさで。
でも、それで最後。
酷使した足はぼろぼろ。無理が祟って内臓もずたぼろ。インタビュー中に血を吐いて緊急入院。
完全に選手生命は絶たれた。
ヴィクトルは満足だった。見たか、世界よ。あれこそが本物の、真実の、ヴィクトル・ニキフォロフだ。ユウリの望んだリビングレジェンドだ。
あんなに自分を褒めてやりたいと、誇りに思ったことはない。
金メダルなんかじゃとても足りない。星のように輝くあの子の瞳と涙がヴィクトルの勲章だ。
―――ユウリ、どうだった? 俺、すごかったでしょ?
いつかの中国大会のフリーの後みたいに、病室ではしゃいで、ユウリのハグを求めて腕を広げた。
けれども、ユウリは目を見開いたまま立ち尽くすばかりで。
「あ……あ…………、う」
頭を抱えて蹲る。悲鳴を上げてユウリの名を呼んだ。
病院だった為にすぐにナースや医者が駆けつけて、処置を施される。様子を見に生きたかったが、ヴィクトル自身が入院患者だった為に許されなかった。生きた心地がしなかった。
幸い、ユウリはすぐに目覚め、体に異常はないという。首から下には。
「ところどころ、記憶を失っています。昨日覚えていたものを今日忘れることがあります」
幸い、スケートのことは体が覚えているようで、支障がなかった。それだけが救いだった。
そして、ヴィクトルの名前も忘れない。
思い出すように親しい人たちを新しく覚えることもできる。日常生活に支障はない。
だが、ヴィクトルが引退したことを知ると、全て元通り。ヴィクトルとスケートのことしか覚えていない、まっさらなユウリになってしまう。
できるだけ長くユウリが記憶を保てるように、毎年あたらしい自分のプロを考えた。ユウリはきらきらした目で見つめる。
だが、スケーティングは昔のようにはならず、ジャンプや構成の難易度も大幅に下げていた。
これはリビングレジェンドの遺産。君にだけ捧げるエキシビジョン。
毎年毎年イマジネーションに満ちていた。選手生活を送っていた頃よりもずっと。自分が滑るユウリのためだけのプロも、ユウリのためのプロも。ときにはユリオのプロだって!
だからユウリ、俺を勝手に殺さないで。
俺は生きている。お前の中で生きてるんだよ。
ユウリ、もう―――自分を責めないで。
俺のラブとライフは、とっくにお前に捧げたんだ。
スリーピングビューティーは、未だ悪夢の中、目覚めない。
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